一、如意舌の定義と舌象の特徴
1. 如意舌の命名と形態
- 命名の根拠:如意舌は、上焦と下焦が凹んでおり、如意のような形の舌象を指します。上部が凸、下部が凹、中央が高く両端が低く、舌根が凹んで乾燥しています。

- 舌象の分類:タイプ舌象の特徴対応する病機陰虚型如意舌舌根が凹み、舌苔が白腻または剥落下元の虚弱、虚陽が上浮陽虚型如意舌舌根が凹み、舌が淡くて嫩く苔なし腎陽不足、水湿が化けない
2. 舌象図譜の解析

- 図1:舌前部が凹んで裂紋があり、舌根が白腻(陰虚火旺)

- 図2:舌根が凹んで苔が白滑、舌辺に歯痕(陽虚水泛)

- 図3:舌中部が凹んで星点舌(気陰両虚)
二、病機の探求:下元の虚弱と宗気の下陷
1. 下元の虚弱の病理メカニズム
如意舌の病機は主に下元の虚弱、上焦の大気が下陷することです。
- 腎精の不足:腰膝の酸軟、夜尿の頻度が多い(腎陰虚:五心の煩熱;腎陽虚:寒さを恐れ、四肢が冷たい)。
- 舌象の関連:舌根の凹みの程度は腎精の損失と正の相関があり(舌根がより凹むほど、腎虚が重い)、舌根部の両側も狭いです。
2. 上焦の宗気の下陷の病理メカニズム
- 宗気の機能:張錫純の『医学衷中参西録』:「宗気は呼吸を司り、心脈を貫く。」
- 症状の表現:心悸、気短、胸悶、倦怠感(舌前部が凹んで裂紋がある)。
- 舌による診断:患者は腰腿の酸軟無力が多く見られ、陽虚や陰虚により足が冷たいか足の裏が熱くなることがあり、または陰陽両虚で足が冷たくも熱くもなることがあります。(ここでの症状は舌による診断の高頻度症状のみを述べています)
3. 分型論治の方案
舌による処方:腎精を補う薬は一般的に使用されます。舌根の凹みは有形の物質が不足していることを示します。
腎陽不足の場合は、杜仲、続断、狗脊、鹿角膠などが選ばれます。腎陰不足の場合は、熟地黄、山茱萸、亀板などが選ばれます。具体的な処方は個人の習慣や虚火上炎の有無によります。陰虚火旺の場合は引火湯が使用できます。陽虚で虚陽が浮動する場合は潜陽封髄丹が使用できます。附子や肉桂の使用は状況を見て判断してください。
解析:下元の虚弱の状況は様々で、舌根の凹み、乾燥、赤み、裂紋、無苔、陰虚が主な場合もあれば、白腻苔で陽虚が主な場合もあります。
注意すべきは、舌根が無苔で、舌根部が赤くなく、白くて柔らかい場合も陽虚です。陽虚のため、水液が蒸騰して上達しないため、白くて柔らかい無苔が見られます。

舌根の凹みは長期的に形成されることが多く、男性では長期的な手淫や房事の不節など、女性では月経の淋漓不尽や崩漏などで凹みが見られます。
証型 | 核心症状 | 推奨方剤 |
---|---|---|
腎陰虚 | 舌が赤くて苔が少ない、足の裏が熱い | 左帰丸+亀板膠 |
腎陽虚 | 舌が淡くて太く苔が白い、足が冷たくて尿が多い | 右帰丸+鹿角膠 |
宗気の下陷 | 舌前部が凹んでいる、動くと気が短い | 補中益気湯+升麻葛根湯 |
三、臨床ケースと調整ガイド
1. 典型的なケースの解析
舌象と病機:上焦の大気が下陷(宗気)する場合、舌前部が凹んでおり、その中にも裂紋があることがあります。例えば、以下の舌象です。

舌による診断:患者は心悸、気短、倦怠感、胸悶などの症状が現れることが多いです。これは宗気が上焦の心肺の機能を管理しているため、宗気が不足すると心肺の機能に問題が現れます。
舌による処方:一般的に李東垣の補中益気湯や張錫純の升陷湯などを考慮します。
上焦の大気の下陷に関する舌象については別の記事で詳しく書きますので、ここでは詳述しません。
注:最後の2枚の舌象画像は補足説明として使用しています。如意舌については前述の3枚の舌象図を参照してください。
- ケース1:男性、35歳、舌根が凹んで苔が白腻、主訴は腰の酸痛と倦怠感、腎陽虚と診断し、右帰丸で2ヶ月調整した後、舌苔が薄白に変わりました。
- ケース2:女性、42歳、舌前部に裂紋と凹みがあり、心悸と不眠を伴う、宗気の下陷と診断し、升陷湯に丹参10gを加えて1ヶ月後、胸悶が軽減しました。
四、中医の弁証の要点と禁忌の注意
1. 如意舌の弁証の核心
- 必ず尋ねる症状:腰膝の状態、夜尿の頻度、手足の温度。
- 必ず確認する体徴:舌根の凹みの深さ、舌苔の潤いと乾燥度。
2. 処方の禁忌リスト
証型 | 禁用薬物 | リスクの警告 |
---|---|---|
腎陰虚火旺 | 附子、肉桂 | 火を助けて陰を傷つけ、潮熱盗汗を悪化させる |
宗気の下陷と湿阻 | 滋陰薬(例えば熟地黄) | 滋腻が脾を妨げ、気滞胸悶を悪化させる |
注意:文中で述べられている治療法や処方は中医の同業者への参考としてのみ提供されており、患者自身で服用することは絶対に避けてください。そうしないと自己責任となります。
コメントを残す